Kenji Yanagawa Architect & Associates

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『建設する』から『建築する』へ


国立西洋美術館は、第二次世界大戦後、日本とフランスの国交回復・関係改善の象徴として、ル・コルビュジェの設計により、1959年、上野公園内に建設されました。また、2007年に国の重要文化財、2016年には世界遺産にも登録され、世界的に重要な建築物として認識されています。

この建築は、ル・コルビュジェが提唱した近代建築の五原則(ピロティー、自由な平面、自由な立面、水平連続窓、屋上庭園)を具現化していることが一番の特徴です。そして、この特徴に加え、吹抜けホールを建物中央に配置し、その周りに配置された回廊型の展示室へ、スロープで昇っていく渦巻き型の動線計画が採用されています。これは、『無限成長美術館』というコンセプトで、巻貝が成長するように外側にどんどん美術館を拡張できるようになっています。

国立西洋美術館を訪れてみて、現在では一般的になったトップライトによる採光の確保、フロアレベルを変えることによる空間の変化、スロープによる視線の変化と建築のストーリー性などなど、3D化された建築の教科書を読んでいるように感じました。

建築として当たり前のことが、実は一番難しく、一般的に建物を建てることで建築を行っているようなっているような気がしました。
只々、機能を充足させた建物を『建設する』ことから、豊かな空間性を備えたドラマチックな建物を『建築する』ようにしたいものです。

探訪日: 2016 / 11
探訪者
: 柳川 実理
所在地: 東京都 台東区 上野公園
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by mys-style | 2017-02-10 09:00 | 建築採集(2017年)