Kenji Yanagawa Architect & Associates

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残したくなる建築を


甲子園会館は、フランク・ロイド・ライトの弟子、遠藤新の設計により、1930年に甲子園ホテルとして竣工しました。「東の帝国ホテル、西の甲子園ホテル」と称されていました。

この建築は、屋根には淡路産の緑の瓦、内外に打出の小槌のオーナメント、ホール天井には市松模様など、洋式建築に巧みに和の要素が取り入れられています。太平洋戦争の激化により、この建築が実際にホテルとして使われた期間は、わずか14年です。しかし、用途を変えながら残りつづけ、現在では、客室部分を講義室に変えるなどの大改修が行われ、武庫川女子大学の学舎として利用されています。

現在、日本では既存住宅の1割超が空き家となっていると言われています。「新しく何を造るか」よりも「今あるものをどう使うか」という時代に移りつつあり、法律もそれに合わせて変わり始めました。この時代の移り変わりが上手く進むためには、人に「残したい建築物」と思わせる魅力を持っていることが一層重要だと思います。
それは、風景としての魅力、使い心地、細部に光る職人技、はたまた立地かもしれません。

甲子園会館から、時代を超えて、人の心をも動かす建築の魅力の重要性について考えさせられました。

探訪日: 2016 / 07
探訪者
: 松井 悠成
所在地: 兵庫県 西宮市
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by mys-style | 2017-02-17 09:00 | 建築採集(2017年)