Kenji Yanagawa Architect & Associates

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変わらないための変化


東京都中央区銀座のソニービルは、建築家、芦原義信の設計により、1966年にオープンしたソニーのショールームです。
その当時、ひとつの電気専業メーカーが日本で一番地価の高い場所に自社のショールームを建てることは、「正気の沙汰でない!」と多くの日本人に思われたそうです。人によっては、「思い上がり」と捉えられる可能性がある状況でした。

このショールームでは、訪れた人々が、つぎつぎと興味をもって見て廻れるように、「ハナビラ構造」というコンセプトで計画されました。それは、1つの階を田の字型に4つに分け、真ん中の柱を中心に4つのセクションを90センチずつ段違いにして、ひと回りでちょうど1階分下がるという四角のハナビラがうずまき状に回っていく構成です。これにより、建物全体が縦に連続して上から下まで何階という区切りなしに、縦型のプロムナードとして成り立っています。また、若者たちが合言葉のように「ソニービルで会いましょう」と集まることを願い、地価の高い敷地一杯に建物を建てることをせず、敷地の一部をオープンスペースにしています。

近年、今ある建物を有効利用するという動きが活発になり、建て替え工事が積極的に行われないようになってきています。しかし、時代に合っていない建物を無理に残す必要があるのか疑問に思います。

現在のソニービルは、解体され、すぐに「新ソニービル」を建設するのではなく、2年間「銀座ソニーパーク」として活用されます。公園の少ない銀座の街に公共スペースを作ること自体がとても画期的なことです。
ソニーは、モノ創りの企業でありながら、モノを残そうとしているのではなく、創業者の「挑戦」という思いを後世に残そうとしているのではないでしょうか。

探訪日: 2017/ 01
探訪者: 柳川 実理
所在地: 東京都 中央区 銀座
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by mys-style | 2017-03-10 09:00 | 建築採集(2017年)