Kenji Yanagawa Architect & Associates

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斬新かつ正統な建築


東京都墨田区にある『すみだ北斎美術館』は、建築家 妹島和世の設計により、2016年4月に竣工した葛飾北斎の作品を保存・展示する美術館です。また、作品の保存・展示以外にも研究や教育普及、さらに地域活性化の拠点としての役割も担っています。

この美術館は、1棟の大きな建物にするのではなく、いくつかの異なるボリュームの建物を集めることで、周囲の街並みに合わせるように配慮されています。また、それぞれの異なるボリュームの間にスリットを設けることで、内部から周辺のランドマークを見られると共に、東西南北4ヶ所に出入口があり、建物に正面がなく、表裏を作らない美術館になっています。そして、外部をアルミパネルで仕上げることにより、公園の緑や空、周りの風景を柔らかく映り込ますことで、周辺の環境になじむように計画されています。

近年は建物のボリューム感をおさえる為に、建物の地階化、壁面緑化、映像技術の進化により、建物全体に映像を映し出すことで、建物の存在を消すことが可能になってきています。最新技術を使い新しい建築の在り方を模索することは素晴らしいことですが、今まで培ってきた日本人の文化を反映させた建築も大事ではないでしょうか。

このすみだ北斎美術館は、真新しさを感じる一方で、プライバシーを守りながらも、周辺から自由に行き来できる『路地』、周辺の雰囲気を感じられる『障子』、周辺の景色を建物に取り込む『借景』など、日本の伝統文化を感じとることのできる斬新な建物でした。

探訪日: 2017/ 02
探訪者: 柳川 実理
所在地: 東京都 墨田区 亀沢
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by mys-style | 2017-04-07 09:00 | 建築採集(2017年)