Kenji Yanagawa Architect & Associates

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魅力のつくり方


横浜港大さん橋国際客船ターミナルは、1980年代から日本の観光産業の成長に伴う観光客の増加、クルーズ産業の発展による船舶の巨大化に対応するために2002年に改修されました。現在では、客船ターミナルとしての機能だけではなく、横浜港のランドマークの一部であるとともに観光スポットとしての役割も担っています。

1995年に行われた国際設計競技で、41ヶ国、660作品の中から選ばれた、アレハンドロ・ザエラ・ポロとファッシド・ムサヴィにより設計されました。
当時では珍しいフルCGによるコンピュータでの設計が行われ、ユニークな形状でありながら快適で機能的な名建築の一つです。
内部は、折板構造の為、柱をなくすことができ、船底を逆さまにした様な形の大空間をフレキシブルに使用することが可能になっています。

現在では、高い評価を得ている今回の建築ですが、完成までには、
・想定していた構造方法では実現不可能
・初期案のイメージとは違う
・コストが想定より大幅にアップ
等々、数年前にどこかの競技場の新設案で聞いたような批判が15年前に起きていました。
実際に訪れてみると、建築そのものが横浜の景観の一部となり、もはや建築の領域を大きく超えていると感じました。また、屋上の芝生とウッドデッキからの眺めは、横浜の魅力を再確認させてくれる施設ともなっています。

横浜は、昔からハイカラの街と言われ、現在でも非常に魅力的な街です。この背景には、自分たちが良いと思えば、評価の定まっていないものであっても受け入れるという文化があるのかもしれません。
魅力は、『自分の感性を信じる力』の大きさで決まるのではないでしょうか。

探訪日: 2017/03
探訪者: 柳川 実理
所在地: 神奈川県 横浜市 中区
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by mys-style | 2017-05-19 09:00 | 建築採集(2017年)