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2020年 02月 06日
すみだ北斎美術館は、東京の下町、両国にあります。 設計は、妹島和世氏により2016年に完成しました。都営地下鉄の両国駅から歩いてて7・8分のところにあります。三方は道路に面し、遊具のおかれた児童公園に開かれた美術館となっています。 開かれた美術館と称していますが、建物は閉鎖的で金属の大きなオブジェといったところでしょうか。1階のアプローチ動線が三方の道路と外部通路で公園に開放されて繋がっています。四方からのアプローチは三角形のスリットで構成され、壁面の微妙な折れ具合と相まった造形を創り出しています。館内に取り込むべき環境が無い場所につくる一つの手法としての内包型の建築といえるでしょう。 北斎の生誕地に、北斎の優れた構図やトリッキーな描写力を、現代建築で表現した作品だと感じました。 動線計画については設計者のわりきりが良すぎて、来館者・運営者のどちらにも使いづらい建物になってしまったように思われます。 北斎美術館としては、企画展示(原画)と常設展示(レプリカ・アトリエ模型等)があり、北斎の世界を満喫することができました。 先人が残したすぐれた遺産を、地域の交流や活性に活かされた秀作ではないでしょうか。 探訪日: 2019 / 12 探訪者: 柳川 賢次 所在地: 東京都 墨田区
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by mys-style
| 2020-02-06 12:00
| 建築採集(2020年)
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