Kenji Yanagawa Architect & Associates

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「らしくない」外観


コンサートホール? 工場? 倉庫? etc?
この建物は、いったい何なのだろうか?
実は、教会なのだ。

バウスヴェア教会は、シドニーのオペラハウスでお馴染みのヨルン・ウッツォンによって設計された。

宗教性を帯びた建築は、古今東西を問わず一目でわかる。
ところが、この建築物は、宗教建築が持つシンボル性や画一的な様式は全く無く、
ランドマークとしての十字架やカリオンすら見当たらない。

大通りの騒音を避けるため、通りに接している北面には廊下や階段室を直線状に配している。
また、主要諸室と四つの中庭を組み合わせることにより、機能性を追及したシンプルな平面構成を創出している。

外観の直線的なイメージとは全く異なっている礼拝堂の内部は、曲面壁により構成されており、ハイサイドライトから柔和な光が零れ落ちてくる。
外観から想像できない空間がそこには存在していた。


探訪日: 1989 / 10
探訪者: 柳川賢次
所在地: デンマーク コペンハーゲン
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# by mys-style | 2002-12-01 09:00 | 建築採集(2002年)

ストックホルム市庁舎


小柴氏・田中氏、ノーベル賞受賞おめでとうございます。

授賞式が行われる市庁舎は、メーラレン湖の湖畔に位置し、ラグナル・エストベリによって設計され、1909年から14年の歳月をかけて創られたスエーデンを代表する建築である。

「市庁舎」というと、役所としての機能を中心にした執務空間をイメージしてしまうが、この建物は文化的要素の高い優れた建築物である。

授賞式や晩餐会が催されるホールは、高窓から空が望めることから「青の間」と呼ばれている。
また、舞踏会が行なわれるサロンは、金箔をふんだんに使った壁画が描かれているところから「黄金の間」と呼ばれている。

両氏の記念すべき授賞式と共に、これを機会に是非、建物の方へも注目してほしい。
いつの日か貴方が授賞式に招かれたときに迷子にならぬように、いまからご準備あれ!


探訪日: 1989 / 10
探訪者: 柳川賢次
所在地: スウェーデン ストックホルム
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# by mys-style | 2002-11-01 09:00 | 建築採集(2002年)

現代建築が創り出す歴史街区の再生


カレ・ダールは、ノーマン・フォスターが設計した歴史的建造物と現代建築の共生をテーマにした美術館と図書館を併せ持つ現代美術センターである。

古い町並みに納められた現代建築は歴史的建造物と呼応しながら街区と一体感を創り出している。

3世紀に建てられた歴史的建造物であるローマ寺院「メゾン・カレ」の石の列柱と、現代建築「カレ・ダール」の鉄の細い柱は、17世紀の歳月を超えて共鳴しあっている。

この二つの建物に挟まれたオープンスペースに、カフェテラスやステージが作られて各種イベントが催される。また、オープンスペースを取り込むように設けられた大パーゴラは、屋上テラスを包み込みメゾン・カレへと視線を導く。

建物中央に設けられた強化ガラスの大階段と廊下は、天空光を受けながら室内とは思えぬ明るさで地下階まで光を落とし、オープンスペースとの連続性を創り出している。
ここにもまた、歴史的建造物と現代建築の旨い共生を見た。


探訪日: 1999 / 06
探訪者: 柳川賢次
所在地: フランス ニーム
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# by mys-style | 2002-10-01 09:00 | 建築採集(2002年)

村はずれの小さな教会


急斜面の山道を登ること2時間余り,ピーター・ズントーにより設計された杮板で覆われたその建物は現れた。

まるで大きな木の幹を思わせるシリンダー状の建物は残雪の残るアルプスにしっかりと根付いていた。

内部はハイサイドライトを巡らせた礼拝空間のみである。木の葉状の平面構成を幾本もの細い柱で天蓋を支えるといった、単純な構成ではあるが柱・梁・壁・開口部・床・家具の全てが明確に分離され、在感を示しながら一つの空間として昇華されている。


探訪日: 1999 / 06
探訪者: 柳川賢次
所在地: スイス スヴィッツ
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# by mys-style | 2002-09-01 09:00 | 建築採集(2002年)

ローマ時代の城壁に囲まれた小さな広場


20世紀後半に改修されたヘロナ大学のインフォメーションセンターと校舎を繋ぐ広場は、ジョセップ・フセスとホアン・マリア・ヴィアデールにより設計された。

特徴としては、敷地の起伏を安易な階段や土木的な擁壁で処理するのでは無く、石畳に芝目地を配し、緩やかな勾配と建築の壁面を思わせる土留め壁や跳ね出しスラブにより、地盤面の起伏を見事に処理している。
また、ローマ時代の城壁は、校舎へと導く軸線としての機能を有し、建物の間に生み出されたオープンスペースはヘロナ大学の新しいキャンパスとして生まれ変わったようだ。


探訪日: 1997 / 06
探訪者: 柳川賢次
所在地: スペイン ヘロナ
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# by mys-style | 2002-08-01 09:00 | 建築採集(2002年)

地中海を望む共同墓地


敬愛する建築家ル・コルビュジェが眠るサン・パンクラス共同墓地は南仏(コートダジュール)のイタリア国境近くにある。
地中海に面し、切りたった山腹から海と空の絶景を見渡すことの出来る高台に位置している。

日本の墓地不足が深刻であるが如く、フランスに措いても同じようだ。
高密度の埋葬という主命題と、オープンスペースの確保という相反する命題を、敷地の断面線に沿いながらコンクリートの塊を埋めることでランドスケープを構成し、解決している。
周辺の自然と対峙するかのように、中央に設けられた無機質な階段は墓へと導く。墓の蓋(プレート)は白大理石で作られており、各々は均等な大きさで整然と配置され、地中海に開かれた壁面を構成する。
壁面は空を切り取り、光を導き、海とつながる。

サン・パンクラス共同墓地は、地勢を読み取り敷地の自然の力を表現することで、人の「生」と「死」の根源的な意味を問いかけているかのように思える。


探訪日: 1997 / 06
探訪者: 柳川賢次
所在地: フランス ロックブリュンヌ・カップ・マルタン
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# by mys-style | 2002-07-01 09:00 | 建築採集(2002年)