人気ブログランキング |

Kenji Yanagawa Architect & Associates

minory.exblog.jp

村はずれの小さな教会


急斜面の山道を登ること2時間余り,ピーター・ズントーにより設計された杮板で覆われたその建物は現れた。

まるで大きな木の幹を思わせるシリンダー状の建物は残雪の残るアルプスにしっかりと根付いていた。

内部はハイサイドライトを巡らせた礼拝空間のみである。木の葉状の平面構成を幾本もの細い柱で天蓋を支えるといった、単純な構成ではあるが柱・梁・壁・開口部・床・家具の全てが明確に分離され、在感を示しながら一つの空間として昇華されている。


探訪日: 1999 / 06
探訪者: 柳川賢次
所在地: スイス スヴィッツ
b0114785_2136171.jpg

# by mys-style | 2002-09-01 09:00 | 建築採集(2002年)

ローマ時代の城壁に囲まれた小さな広場


20世紀後半に改修されたヘロナ大学のインフォメーションセンターと校舎を繋ぐ広場は、ジョセップ・フセスとホアン・マリア・ヴィアデールにより設計された。

特徴としては、敷地の起伏を安易な階段や土木的な擁壁で処理するのでは無く、石畳に芝目地を配し、緩やかな勾配と建築の壁面を思わせる土留め壁や跳ね出しスラブにより、地盤面の起伏を見事に処理している。
また、ローマ時代の城壁は、校舎へと導く軸線としての機能を有し、建物の間に生み出されたオープンスペースはヘロナ大学の新しいキャンパスとして生まれ変わったようだ。


探訪日: 1997 / 06
探訪者: 柳川賢次
所在地: スペイン ヘロナ
b0114785_21231497.jpg

# by mys-style | 2002-08-01 09:00 | 建築採集(2002年)

地中海を望む共同墓地


敬愛する建築家ル・コルビュジェが眠るサン・パンクラス共同墓地は南仏(コートダジュール)のイタリア国境近くにある。
地中海に面し、切りたった山腹から海と空の絶景を見渡すことの出来る高台に位置している。

日本の墓地不足が深刻であるが如く、フランスに措いても同じようだ。
高密度の埋葬という主命題と、オープンスペースの確保という相反する命題を、敷地の断面線に沿いながらコンクリートの塊を埋めることでランドスケープを構成し、解決している。
周辺の自然と対峙するかのように、中央に設けられた無機質な階段は墓へと導く。墓の蓋(プレート)は白大理石で作られており、各々は均等な大きさで整然と配置され、地中海に開かれた壁面を構成する。
壁面は空を切り取り、光を導き、海とつながる。

サン・パンクラス共同墓地は、地勢を読み取り敷地の自然の力を表現することで、人の「生」と「死」の根源的な意味を問いかけているかのように思える。


探訪日: 1997 / 06
探訪者: 柳川賢次
所在地: フランス ロックブリュンヌ・カップ・マルタン
b0114785_19203342.jpg

# by mys-style | 2002-07-01 09:00 | 建築採集(2002年)

さりげない池(水場)


マークス教会は白樺の木立の中にひっそり佇んでいる。

この控えめな建築の塗りこめレンガの外壁は、見事に白樺の木立を際立たせることに成功しており、存在感を訴えかけてくる。

ここで出会った水場「さりげない池」は、近頃の分譲マンションなどに見られる仰々しく大げさな池や噴水とは全く違ったものである。

レンガのみで造られた床板は緩やかなすり鉢状を構成し、時には広場であり、また時には池となる、シンプルでさりげないディティールである。

そして、ブロンズ製の水口は水飲み場を兼ね、背丈に応じたステップが設けられており、全ての機能を満たしたオブジェとなっている。

今さらながら、北欧の建築家の手腕には驚くばかりである。


探訪日: 1989 / 10
探訪者: 柳川賢次
所在地: スウェーデン ストックホルム
b0114785_18422377.jpg

# by mys-style | 2002-04-01 09:00 | 建築採集(2002年)

タラゴナの路地


タラゴナはバルセロナから地中海沿いに南へ約90km。

ローマ遺跡がたくさん残っている古都である。

旧市街で見つけたこの路地はアイストップの効果により、期待感が膨らむ見え隠れの路地空間となっている。

トラバーチンの床とスチールの角棒で作られた手摺のみが新旧の一体感を創り出している。

時間を繋ぐ手法を一つ発見したような気がします。


探訪日: 1992 / 03
探訪者: 柳川賢次
所在地: スペイン タラゴナ
b0114785_17283851.jpg

# by mys-style | 2002-03-01 09:00 | 建築採集(2002年)

テンッペリアウキオ教会


テンッペリアウキオ教会は、フィンランドのヘルシンキ市にティモ・スオマライネンとトォオモ・スオマライネン兄弟の設計により、建てられた岩石をくり抜いて創られた教会です。

11000㎡に750名が収用可能です。

敷地が持つ特性を最大限に生かすため、壁は岩盤と採掘石からなっています。

壁面は音響効果と美的効果を考慮し掘削面がそのまま用いられています。

天蓋は鉄筋コンクリートのリブ梁で支えられています。

このリブ梁は天窓を構成し、ふりそそぐ光は聖壇の壁に輝きを与えます。


この美しさに出会った時、天の恵みを感じずにはいられません。


探訪日: 1992 / 02
探訪者: 柳川賢次
所在地: フィンランド ヘルシンキ
b0114785_13203679.jpg

# by mys-style | 2002-02-01 09:00 | 建築採集(2002年)